
こんにちは「ほこり」です。
近年、テレビやインターネット、SNSなどでも「保護猫」に関する話題を目にする機会が増えてきました。猫好きの方なら一度は「日本には、いったいどれくらいの野良猫や保護猫がいるのだろう?」と疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
この記事では……
について、最新の情報を交えながらわかりやすく解説していきます。
猫たちの命と向き合い、私たちにできることを考えるきっかけになれば幸いです。

日本にいる野良猫や保護猫の数はどのくらい?
日本人の人口のように、猫の数を正確に把握することは難しいものです。というのも、猫は屋内外を自由に移動できる動物であり、特に野良猫や地域猫のような飼い主のいない猫は、地域によって生息状況に大きな差があります。
そのため、全国一律の正確な数を示すのは困難ですが、いくつかの統計調査によっておおよその推定数を知ることは可能です。
マース ジャパンの調査による猫の推計数
マース ジャパン リミテッドは、マース ペットケアが世界的に進めている「飼い主のいないペットの現状把握プロジェクト(State of Pet Homelessness Project)」の一環として、日本における犬と猫の飼育状況に関する調査を発表しました(※2024年1月23日公開/調査期間は2022〜2023年)。
この調査によると、日本における猫の推定総数と、飼い主のいない猫の数は以下の通りです。
つまり、日本の猫の約19.8%、およそ5頭に1頭が飼い主のいない猫であると推定されています。これは、野良猫や地域猫、迷い猫など、さまざまな理由で飼い主のいない状況にある猫たちを含んでいます。
このようなデータをもとに、保護活動や地域猫対策の重要性が改めて注目されています。

そんなにいるなんてとてもビックリ…
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飼い主のいない犬の数は?猫との割合の違いから見える現状
同じ調査によると、日本における犬の総数は約716万頭と推定され、そしてそのうち、飼い主のいない犬の数は約5万2,500頭とされています。これは、犬全体の約1%に相当する数値です。
この結果から、猫と犬とでは飼い主のいない割合に大きな差があることがわかります。猫の場合は5頭に1頭が飼い主のいない猫とされているのに対し、犬は100頭に1頭以下という非常に低い割合にとどまっています。
この背景には
といった事情があると考えられます。このようにデータを比較することで、猫の保護や地域対策がいかに重要かが浮き彫りになります。

犬の5万頭以上も十分に悲しい数値です…
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日本にいる「飼い主のいない猫」とは?野良猫と保護猫の違い
「飼い主のいない猫」という言葉を耳にしたとき、どのような猫を思い浮かべますか?この言葉には、大きく分けて2つのタイプの猫が含まれています。それが 野良猫 と 保護猫 です。
マース ジャパン リミテッドが実施した調査によると、日本全国における「飼い主のいない猫」約222万頭の内訳は以下の通りです。

飼い主のいない猫のうち、保護されている猫は たったの約2% に過ぎません
この数字からも、日本における保護活動の手がまだまだ届いていない現実が浮き彫りになります。
保護猫はどこで保護されている?公的機関と民間施設の実情

日本で保護された猫たちは、どこで過ごしているのでしょうか?
保護猫が暮らす場所は、大きく分けて「自治体による公的な施設」と「民間の保護施設・個人ボランティア」の2つに分類されます。
自治体による保護:公的な施設で一時的に保護
都道府県や市区町村などの自治体には、猫や犬などの動物を一時的に保護するための施設があります。
公的機関で保護された猫の多くは一定期間を過ぎると譲渡対象になりますが、譲渡先が見つからなければ殺処分の対象となってしまうこともあります。
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民間施設や個人による保護活動:善意で支えられる現場
自治体だけでなく、民間でも多くの人たちが保護猫の命を守るために活動しており、以下はその主な例です。
民間の保護猫団体は無報酬がほとんど|厳しい運営を支えるのは善意と支援
民間の保護猫団体や個人ボランティアは、ほとんどが無報酬で活動しており、その多くは自己資金を使って猫たちを守っていて、行政によるサポートが十分とはいえない中、「殺処分をなくしたい」「動物の命を救いたい」という強い想いを原動力に懸命な活動が続けられています。
民間保護団体やボランティアの主な活動内容

えっ、こんなにたくさんのことを無償で⁉
保護猫1匹あたりにかかる主な費用
これらはすべて寄付や物資支援、ボランティアの持ち出しによってまかなわれていて、金銭面で苦しい事情も…。

近年の物価高騰によって、より苦しい現状も…
保護猫でも殺処分になることがある?|日本の現状と殺処分の理由
「保護されたからもう安心」と思われがちですが、保護猫であっても里親が見つからない場合、殺処分の対象になることがあります。
令和5年度の(2023年度)の環境省の統計によると、全国の自治体が引き取った猫の総数は25,224頭。そのうち6,899頭が殺処分されており、さらにその中の4,036頭が幼い子猫でした。
猫が殺処分される主な理由
殺処分にはさまざまな背景があり、統計上では以下のような理由に分類されています。
殺処分の背景にある施設側の課題
このような殺処分の多くは、以下のような施設の受け入れ能力の限界が大きく関係しています。
特に子猫の場合、哺育(ミルクや体温管理)に専門的な知識と24時間のケアが必要であり、自治体では対応しきれない場合が多いのが現実です。こうした背景を理解し、「保護=安全」ではないという現状に目を向けることが、私たち一人ひとりにできる第一歩です。

助けたいけど助けることができない悲しい現実があります
まとめ:野良猫を見かけなくなった今、私たちにできること
私の住んでいる地域では、数年前までよく野良猫(もしかすると放し飼いだったかもしれません)を見かけていました。
特に印象に残っているのは、家の横のサイクルハウスでの出来事。自転車を取りに行った際に中から猫が飛び出してきて、思わず私も子どもも大きな声を上げてしまったことがあります。子どもはそれ以来、自転車を取りに行くのが少しトラウマになっていたほどです(笑)
しかし最近では、まったく野良猫を見かけなくなりました。
今回の記事を執筆するにあたり、日本にいる飼い主のいない猫の数が約222万頭という事実を知って、本当に驚き、日本全体の深刻な現状があるのだと改めて気づかされました。同時に、保護猫活動をしている方々の尽力によって、少しずつ殺処分される猫の数が減ってきているということも知り、とても励まされる思いでした。
私自身もまだまだ勉強中ですが、
など、微力でも「できること」から応援を続けていきたいと思っています。
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