
こんにちは「ほこり」です
ブリティッシュロングヘアーという猫をご存じでしょうか?その名の通り、イギリス生まれの猫種で、美しい長毛と落ち着いた性格が魅力の猫種です。この記事では、ブリティッシュロングヘアーの特徴や性格、飼い方のポイントまで、初めての方にも分かりやすく解説します。
ブリティッシュロングヘアーとはどんな猫?
ブリティッシュロングヘアーの名前の由来
この猫種はイギリス原産の「ブリティッシュショートヘアー」から派生した猫で、「British」はそのルーツであるイギリス(英国)を意味します。
もともとイギリス国内では、ローマ時代から猫が存在しており、品種改良が進んだのがブリティッシュショートヘアー。その長毛タイプがブリティッシュロングヘアーです。

「British(ブリティッシュ)=イギリス生まれ」という意味だよ
【関連記事】猫の毛 ダブルコートとシングルコートの違い それぞれどのような猫種がいるの?
ブリティッシュロングヘアーの歴史|長毛の美しさが認められるまで
ブリティッシュロングヘアーは比較的新しい猫種ですが、そのルーツは古く、イギリスの伝統ある猫たちにまでさかのぼります。
もともとの起源は、「ブリティッシュショートヘアー」という短毛種で、これはローマ帝国がイギリスに持ち込んだ猫たちが、現地の猫と交配を重ねる中で生まれた、がっしりとした体格と丸顔が特徴の猫です。
ブリティッシュショートヘアーは19世紀にはすでに純血種としての人気を集めており、現在でもイギリスを代表する猫種です。

20世紀初頭、ブリティッシュショートヘアーをペルシャ猫などの長毛種と交配されることで、長毛の子猫がまれに生まれるようになります。当時はそれらの長毛の個体は「純血ではない」とされ、血統書つきのショートヘアーからは除外されていました。
しかしその後、ペルシャの血を引くことで生まれた豊かでふわふわの被毛や、ブリティッシュショートヘアー譲りの落ち着いた性格に魅了される愛猫家が増え、長毛種としての価値が再評価されていきます。
そして1990年代以降、ヨーロッパの一部の猫種登録機関(例:TICA、FIFéなど)で「ブリティッシュロングヘアー」という独立した猫種として正式に認められるようになりました。
【関連記事】猫の種類一覧 猫種それぞれの適正体重や平均寿命・性格を解説
🌍世界での人気度|ヨーロッパを中心にじわじわと人気拡大中
ブリティッシュロングヘアーは、ブリティッシュショートヘアーと比べると世界的な知名度はまだ控えめですが、近年その人気はヨーロッパを中心に確実に広がっています。
とくにドイツやオランダ、フランスなどのヨーロッパ圏では「気品ある家庭猫」としての評価が高く、ブリーダーの活動も盛んで、そのふわふわの被毛と穏やかな性格が、落ち着いた家庭にぴったりだと好評です。
一方、アメリカでは「ブリティッシュショートヘアー」の方が主流で、ロングヘアータイプはまだニッチな存在。しかし、SNSやYouTubeなどの映像コンテンツでの露出が増えたことにより、視覚的な魅力からファンを増やしつつあります。

これからもっと知られるようになったら“次世代の長毛系アイドル猫”として世界で人気者になるかもね!
🗾日本での飼育傾向|まだレアだけど密かなファンが増加中
日本では、ブリティッシュショートヘアーはすでに一定の人気を持つ猫種ですが、ブリティッシュロングヘアーはまだ比較的珍しい存在です。ペットショップで見かける機会は少なく、専門のブリーダー経由での入手が中心となります。
それでも、SNSやYouTubeで見かける「丸顔でふわふわの上品な猫」に惹かれ、「この猫、何ていう種類?」と興味を持つ人が増加中。特に近年では「静かに寄り添ってくれる猫」や「ぬいぐるみのような見た目」の猫種が好まれる傾向にあり、ブリティッシュロングヘアーの魅力とマッチしています。
日本の住宅事情にも合うおっとりした性格で、マンションやアパート暮らしの方でも飼いやすいのが特徴で、また子どもや他のペットとも落ち着いて接することができるため、ファミリー層からの支持もじわじわ広がりつつあります。
ブリティッシュロングヘアーの見た目の特徴
被毛
長くて柔らかい被毛が特徴的で、セミロング〜ロングのふわふわとした毛並み、首回りの「しっぽのような飾り毛(ラフ)」がとても印象的です。
毛色は非常に多く、ブルー(灰色)をはじめ、クリーム、ホワイト、ブラック、チョコレート、シルバータビーなど、多彩なカラーバリエーションがあります。
体型
がっしりとした骨格としっかりとした筋肉を持つブリティッシュロングヘアーは、いわゆる「セミコビータイプ(中くらいで丸みのある体型)」と呼ばれる体型をしています。全体的に丸みを帯びたフォルムで、顔や頬、胸まわりにもボリュームがあり、まるでぬいぐるみのような愛らしさが魅力です。
成猫の体重はおおよそオスで4〜6kg、メスで3〜5kg程度が一般的。オスの方が筋肉量が多く、骨格もやや大きくなる傾向があります。また、体はがっしりしていますが、無駄な脂肪がつきにくく、筋肉と骨格でしっかりとした重量感があるのも特徴です。
顔つき
まず目を引くのは、ふっくらと丸い顔立ちです。輪郭がはっきりとしていて、額から頬にかけての曲線がなめらかで、優しげな印象を与えます。
大きく丸い瞳は、まるで感情を語りかけてくるような存在感があり、瞳の色は毛色によって異なりますが、ゴールド、カッパー、グリーンなどがよく見られます。光の当たり具合によって輝きを変えるその目は、とても印象的で見る人を惹きつけます。
耳は小さめで、やや離れ気味に配置されており、この「小さな耳+大きな目+丸顔」という絶妙なバランスが、全体として気品とかわいらしさを併せ持つ独特の美しさを生み出しています。
性格の特徴

ブリティッシュロングヘアーの性格は、一言で言えば「穏やかで落ち着きがあるタイプ」で以下のような特徴があります。
ブリティッシュロングヘアーお手入れと飼い方のポイント
毎日のブラッシングは必須
長毛種であるため、毛玉や抜け毛の管理が非常に重要で、1日1回はブラッシングをして、毛の絡まりや皮膚トラブルを予防しましょう。換毛期(春・秋)には抜け毛が特に増えるため、念入りなケアが必要です。
【関連記事】猫のブラッシングはなぜ大切?頻度と喜ぶおすすめブラシを徹底解説!
食事と体重管理
がっしりした体型のため、太りやすい傾向があります。高たんぱくで適切なカロリー量を保つフードを選び、運動不足にならないように室内遊びも取り入れましょう。
静かな環境を好む
大きな音や急激な変化を苦手とする傾向があります。静かな場所に落ち着けるスペースを用意してあげると安心します。
トイレや爪とぎも清潔に
清潔好きな性格なので、トイレや爪とぎの場所が汚れているとストレスを感じやすいです。日々のお手入れや掃除を欠かさないようにしましょう。
ブリティッシュロングヘアーのかかりやすい病気や注意したい健康面

ブリティッシュロングヘアーって健康的な猫だけど、油断は禁物!いくつか注意したい病気もあるんだよ。
ブリティッシュロングヘアーの価格と入手方法
ブリティッシュロングヘアーは希少性が高く、ペットショップやブリーダーを通じてお迎えする際の価格は、おおよそ20万円〜40万円前後が相場となっています。
特に、人気の高い毛色(ブルーやクリームなど)や、血統証付き・ショータイプの個体、希少なカラーのオッドアイを持つ猫などは、50万円以上の価格が付くこともあります。
購入を検討する際は、価格だけでなく、親猫の健康状態や育成環境、遺伝性疾患の有無などもしっかり確認することが大切です。とくに信頼できるブリーダーであれば、健康面の管理が行き届いており、性格的にも穏やかで人懐っこい個体と出会える確率が高まります。
また、希少ではありますが、里親募集サイトや地域の譲渡会などでブリティッシュロングヘアーに出会えることもあります。保護猫施設では「ブリティッシュ系ミックス」の長毛猫が里親に出されているケースもあるため、毛並みや性格が気に入った子がいれば、保護猫からお迎えする選択肢も検討してみてください。
🐾豆知識コーナー|チェシャ猫とブリティッシュロングヘアーの関係は?
『不思議の国のアリス』に登場する不思議な笑みを浮かべたチェシャ猫(※出典:https://www.disney.co.jp/)。その姿を見て、「ブリティッシュロングヘアーがモデルなの?」と思ったことはありませんか?
チェシャ猫は特定の猫種がモデルではなく、イギリスの「チェシャー地方」に伝わる「笑うチェシャ猫(grinning like a Cheshire cat)」ということわざに由来しています。つまり、空想上のキャラクターなのです。
とはいえ、原作の挿絵を担当したジョン・テニエルの描いたチェシャ猫は、丸い顔・がっしりした体・少し含みのある微笑みが印象的で、現代の「ブリティッシュショートヘアー」によく似ているといわれています。ブリティッシュロングヘアーはその長毛版。つまり、「モデルではないけれど、見た目や雰囲気は似ている」猫と言えるでしょう。

チェシャ猫と暮らしている気分になれるかも?
まとめ|ふわふわの魅力に癒される日々を
ブリティッシュロングヘアーは、美しい被毛と穏やかな性格を持つ魅力的な猫です。静かに寄り添ってくれるその姿は、日々の暮らしに大きな癒しを与えてくれるでしょう。丁寧なお手入れや愛情をもって接することで、心から信頼してくれるパートナーになってくれます。
「落ち着いた猫と暮らしたい」「上品で優しい猫が好き」という方には、まさに理想的な猫種です。
コメント