人間にとっては健康的で美味しい食品であったとしても、猫にとっては危険なものもたくさんあり、猫を飼う上でその食品を知っておくことはとても重要なことです。
今回は、猫が食べると危険な9種類の食品について解説をしていきます。
チョコレート
猫にとってチョコレートが良くない理由
猫にチョコレートは絶対に与えてはいけない。
猫を飼う以上絶対知っておかなければいけない知識で、チョコレートはそれくらい猫にとっては有害な食品です。
チョコレートに含まれる「テオブロミン」という成分が有害で、猫の体内に入ると分解・排出することができず、中枢神経や腎臓、循環器系に悪影響を及ぼしさまざまな中毒反応が起こり、最悪の場合は死に至ることもあります。
「テオブロミン」とは自然界ではカカオにしか存在せず、チョコレートやココア特有の苦みになります。人間が摂取すると血管拡張作用によって血流量が増え、利尿効果や体温上昇などの生理作用が得られるほか、脳内物質に作用して、リラックス効果や食欲抑制効果あたえてくれます。
チョコケーキやチョコアイスなど、「チョコ」と名のついたものには「テオブロミン」が含まれていますので注意をしましょう。

バレンタインデーでも
チョコはいらないよ!
チョコレート中毒の症状
チョコレートを口にして1~4時間程度で初期症状があらわれ、場合によってはそこから重症化していきます。
チョコレートをどのくらい食べると危険?
体重1kgあたり20mgのテオブロミンを摂取すると、中毒症状により危険な状態になると言われています。以下は、チョコレートの種類ごとの「テオブロミン」の含有量です。
【体重3kgの猫がLOTTEガーナミルクチョコレートを食べた場合】
LOTTEガーナミルクチョコレートには220mgの「テオブロミン」が含まれています。
体重が3kgの場合、60mgの「テオブロミン」を摂取すると中毒症状があらわれると計算すると、約1/4を口にすると危険であると考えられます。ブラックチョコの場合には計算上では含有量は10倍前後になりますので、ブラックの板チョコの場合には数口食べるだけでも危険です。
ネギ類
猫にとってネギ類が良くない理由
チョコレートと並んでネギ類は猫に絶対に与えてはいけません。
ネギ類には、長ネギの他に玉ねぎやにんにく、ニラ、らっきょなども含まれます。また、加熱したからといって毒性が消失するようなこともありません。
これらの植物には、有機チオ硫酸化合物という猫の赤血球を破壊する成分が含まれており、赤血球が体内で不足することで貧血や血尿、その他の健康問題を引き起こす可能性があります。
ネギ中毒の症状
猫がネギ類を食べて中毒症状があらわれるまでにかかる時間は、早ければ30~60分です。遅い場合には数日後に症状が出ることもあるため、時間が経ったからといっても油断はできません。
主な症状は以下の通りになります。
ネギ類はどのくらい食べると危険?
体重1kgあたり5g程度で中毒症状があられ、15~20gを摂取すると命の危険があるとされています。
しかし、量よりも遺伝的な要因が左右されるとも言われており、少し舐めただけで中毒症状が出る猫もいれば、食べても全く症状が出ない場合もありますので、猫がネギ類を誤って口にしないよう注意をしましょう。

オムライスにも玉ねぎ入ってるよね
危険~
ネギ類の料理は全部NG!
アルコール
猫にとってアルコールが良くない理由
アルコールも猫にとって非常に有害で、少量でも中毒症状を引き起こし重篤な場合には死に至ることもあります。
人間の場合、アルコールは肝臓で分解され無害な成分に変化しますが、猫の身体にはアルコールを分解する酵素がありませんので、酔っぱらった状態がずっと続くような状態になります。
アルコール飲料以外にも、アルコールを使用した料理やウェットティッシュ、酒精綿なども誤って舐めてしまうと危険なので、置き場所には十分注意が必要です。

猫はお酒は全然飲めませんよー
酔っぱらって、与えないでね
猫のアルコール中毒の症状
アルコールをどのくらい摂取すると危険?
体重1kgあたり5.6ml程度のアルコールを摂取すると命の危険があるといわれています。
3kgの猫であれば、大さじ1杯程度の量ですが、猫の個体差によっても違いますし子猫の場合にはさらに影響が出やすくなります。
カフェイン(コーヒーなど)
猫にとってカフェインが良くない理由
コーヒーを飲むと眠気や疲労を取り除いてくれるため、毎朝目覚めのために飲んだり、仕事中や休憩時間、勉強をしながら飲むという人は多くいます。これはコーヒーに含まれる「カフェイン」の影響が、人にとって良い効果を与えてくれるためです。
しかし、コーヒーに含まれる「カフェイン」も猫にとって非常に危険な成分であり、摂取することで中毒症状があらわれます。

コーヒー以外にも「カフェイン」が含まれるものは
意外とたくさんあるんだよ。
猫のカフェイン中毒の症状
カフェインをどのくらい摂取すると危険?
体重1kgあたり150mg程度の「カフェイン」を摂取すると命の危険があるといわれています。
これは3kgの猫であれば、コーヒーカップ1杯程度のコーヒーの量に相当します。それだけの量をごくごくと飲む猫というのはなかなか想像できませんが、命の危険がなくとも少量で初期症状があらわれる場合がありますので気をつけましょう。
生肉や生魚
猫にとって生肉や生魚が良くない理由
猫は生肉や生魚は食べられるというイメージを持っている方もいると思いますが、それは間違いです。
生肉や生魚には、カンピロバクターやサルモネラ菌などの寄生虫や細菌が含まれている可能性があり、これらは特に夏場には増殖します。人が生肉や生魚を食べて食中毒になるの同様のことが、猫にも起こりうるのです。
また、特に生魚にはチアミナーゼという酵素が含まれており、これはビタミンB1を破壊してしまいます。
猫が生肉や生魚を食べた時の中毒症状
生肉や生魚が寄生虫感染をしていた場合には、摂取してから数時間から数日後に体調に変化があらわれ、子猫や免疫力の低い猫の場合には、症状が重症化する場合もあります。
新鮮な生肉や生魚であれば大丈夫?
猫は肉食動物であるため、新鮮な生肉や生魚であれば必ずしも危険というわけではありません。しかし、スーパーなどで売っている肉は、衛生管理をしているとはいえ、加熱調理することがが前提としていますので、決して新鮮というありませんので極力与えないようにしましょう。

もちろん人間も食べたらダメだよー🎵
牛乳
猫にとって牛乳が良くない理由
生肉や生魚同様に、猫に牛乳を与えても問題ないというイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?
実は多くの猫は「乳糖不耐症」です。
「乳糖不耐症」とは、乳製品に含まれる乳糖という物質を分解する酵素が体の中に不足していることにより、下痢は腹痛などの症状が出るものです。牛乳を飲むと「お腹が痛くなる」という人いますよね?その多くが「乳糖不耐症」が原因なのです。
さらに、市販の牛乳には猫にとって不要な脂肪も含まれています。
猫が牛乳を飲んだ時の症状
ぶどう・レーズン
猫にとってぶどう・レーズンが良くない理由
ぶどうやレーズンも、猫が食べることによって中毒症状を引き起こす危険な食べ物です。原因は明確にはなっていませんが、皮、実、種などのあらゆる部分が危険なので、猫が手の届くところには置いておかないようにしましょう。
これらを摂取すると急性腎不全を引き起こす可能性があります。少量でも危険なので、絶対に与えてはいけません。
猫が牛乳ぶどう・レーズンを食べた時の症状
ブドウやレーズンを食べた時の一番深刻な症状が急性腎不全です。腎臓の病気にかかる猫はとても多くいますし、猫にとって非常に深刻な状態であり早期の治療を必要とします。また急性腎不全を発症すると亡くなってしまう場合もあります。

ぶどうって粒が小さいから
ついつい口に入れてしまうんだよね
アボガド
猫にとってアボガドが良くない理由
アボガドは栄養価の高い植物として有名で、ビタミンやミネラルが豊富なため人間が食べる分にはとても健康的な食材です。
しかしアボガドに含まれる「ペルシン」という物質は、殺菌作用がある反面、毒性があり猫が食べると中毒症状を引き起こす非常に危険な成分です。「ペルシン」はアボガドの果肉部分以外の種子や茎、葉などにも多くまれています。
猫がアボガドを食べた時の症状
観葉植物として置いてあるアボガドの葉をほんの少しだけ口にしただけでも、以下のような症状が出る場合があります。
ドッグフード
猫にとってドッグフードが良くない理由
猫と犬を一緒に飼っている場合、猫がドッグフードを誤って食べてしまったという経験をした人もいるでしょう。少量のドッグフードであれば、猫が食べてしまっても問題はありません。
しかし猫と犬では火うような栄養バランスや体内で合成できる栄養素などにおいて、さまざまな違いがあります。特にタウリンというアミノ酸を猫は必要としますが、これはドッグフードでは十分に摂取することができず、そのため猫がドッグフードを主食として食べることは健康にとって良くありません。
猫がドッグフードを食べた時の症状
猫がドッグフードを継続して食べた場合には、タウリン欠乏症という状態になる可能性があります。
人にとってもタウリンは重要な成分で、血圧を正常に保ったり、中性脂肪を減少させあり、疲れ目に対しての効果もあります。

目薬や栄養ドリンクにも含まれている成分だよ
まとめ
猫は人間とは身体の作りが違うので、人間が口にするものは与えないということが一番ですが、可愛さのあまり自分が食べているモノを与えたくなる気持ちも出てくるとは思います。
上記以外にも柑橘系の果物や人の薬なども口にすると有害です。
猫の健康を守るためにも最低限、猫が食べてはいけない食べ物については知っておきましょう。
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