03-150x150.jpg)
なんか頻繁にトイレに行っている気がする?

めっちゃトイレに行くけど、ちょびっとだけしか出てない…
この記事を読んでいる方は、上記のような猫のトイレの様子に違和感を感じているのではないでしょうか?
もしも猫が頻繁にトイレに行き、毎回少量のおしっこが出ているようであれば、膀胱炎の可能性がとても高いです。
この記事では、猫の膀胱炎とはどのような病気なのか、原因や症状、対処法についてわかりやすく解説します。
猫のトイレがいつもと違う?回数と尿量のサインをチェック!

猫の1日の平均トイレ回数ってどのくらい?
そもそも猫はどのくらいの回数トイレに行くと異常なのでしょうか?

うちの猫、今日はやけにトイレに行くな…
そんなふうに感じたとき、飼い主の“勘”はかなり正確です。
健康な成猫の場合、1日におしっこをする回数はおおよそ2〜4回といわれています。もちろん個体差はありますが、毎日ほぼ同じ時間帯・同じ回数でトイレをする猫が多いです。
そのため、「いつもより明らかに回数が増えた気がする」、「1時間に1回は行っている」、「さっきも行っていた気がする」と飼い主が感じた場合には、トイレに行く回数に異常がある場合が多いです。
健康な猫の場合、トイレ1回あたりのおしっこの量はどのくらい?
健康な成猫の場合、1回の排尿量はおよそ20〜30ml前後が目安であり、これは猫砂の上でおしっこをするのであれば、砂が直径5~6cmくらいの大きさの球になるくらいです。
「少量」や「ちょびっと」というのは感覚的な言葉ですが、トイレの砂にできるしみ(かたまり)が小豆〜1円玉サイズしかない状態が続いている場合には異常の可能性があります。

猫が膀胱炎になったときの病院代のことが心配な方は方はこちら!
🔜猫の膀胱炎は高い?実際に動物病院でかかった費用と検査内容【体験談】
猫の膀胱炎ってどんな病気?症状を知っておこう!

前述のように、猫がトイレに何度も行き少量しか排尿しない場合は、膀胱炎の可能性が非常に高いと考えられます。

膀胱炎かも…どうしよう…
入院?手術?死んじゃわないよね…?
愛猫に初めて症状が出たのであれば、このように心配で不安な気持ちになりますよね?
しかし、膀胱炎は猫に多く見られる病気であり、軽症であれば命に関わることはほとんどないため、あまり深刻に構える必要はありません。
では、そもそも膀胱炎とはどのような症状が出る病気なのでしょうか。

膀胱炎とは、膀胱に炎症が生じることで、排尿に関するさまざまな症状を引き起こす病気です。
頻尿(トイレの回数が増える)
膀胱が炎症で刺激されるため、猫は少量でも頻繁にトイレに行くようになります。
排尿量が少ない
炎症や痛みにより、猫は少量ずつしかおしっこを出せなくなります。
排尿時の痛みや鳴き声
膀胱や尿道が炎症を起こすことで、排尿時に痛みを感じます。
血尿(血が混じった尿)
炎症や結石によって膀胱の粘膜が傷つくと、尿に血が混じります。
💡 ポイント:血尿は膀胱炎だけでなく、尿路結石や腎臓病の可能性もあるため、必ず動物病院で確認しましょう。
トイレ以外の場所で排尿
猫は通常トイレで排尿しますが、膀胱炎になると痛みや違和感のため、トイレ以外の場所で排尿してしまうことがあります。
行動の変化
排尿自体に関する症状だけではなく、膀胱炎の痛みや不快感は猫の行動にも表れます。
尿路閉塞の危険サイン(雄猫に多い)
膀胱炎が進行し重症化すると、尿道に結晶や血の塊が詰まり、尿がまったく出なくなる緊急事態になることがあります。
💡 この場合は、命に関わる可能性があるため、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

泌尿器系の病気ってどんなのがあるのかな?
猫が膀胱炎になる原因とは?

猫が膀胱炎を発症する原因はいくつかありますが、年齢によってその傾向が異なります。
高齢猫に多い「細菌性膀胱炎」
シニア期(おおよそ10歳以上)の猫では、細菌感染による膀胱炎が多く見られます。加齢により免疫力が低下し、体内の防御機能が弱まることで、細菌が膀胱に侵入しやすくなるのです。
また、高齢になると腎臓病や糖尿病などの持病を持つ猫も増え、これらの病気があると尿の性質が変わり、細菌が増えやすい環境にもなります。さらに高齢になると排尿回数が減る傾向にあり、膀胱内に尿が長時間たまり、細菌が繁殖しやすくなるのも原因のひとつです。
若い猫に多い「尿路結石」
若い猫や中年の猫では、尿路結石が原因となる膀胱炎が多く見られます。特に「ストルバイト結晶」や「シュウ酸カルシウム結石」が代表的で、これらの結晶や石が膀胱の内壁を刺激し、炎症を引き起こします。
とくに5歳未満の若い猫が膀胱炎を発症した場合は、尿路結石が原因である可能性が非常に高いとされています。尿路結石は猫の体質に関係することが多いため、獣医師の指導のもとで療法食への切り替えを行い、結石の再発を防ぐことが大切です。

うちの子、尿路結石かも!?
そんな不安のある方は下の関連記事へ
~実体験エピソード~
我が家の愛猫「ななこ」も、1歳のときに膀胱炎を発症しました。動物病院で診察を受けた際、獣医師から「若い猫の膀胱炎は、ほとんどが尿路結石が原因なんですよ」と説明を受け、尿検査を行ったところ、やはり尿路結石が原因であることが分かりました。
原因不明でも起こる「特発性膀胱炎」
検査をしても細菌や結石が見つからない場合は、特発性膀胱炎(FIC)と呼ばれるものの可能性があり、これは明確な原因があるわけではなく、ストレスが関係していると考えられています。

猫はとてもストレスを感じやすい動物だよ。
例えば、こんなストレスに心当たりはない?
猫の膀胱炎の治療方法と予防

膀胱炎は一度治っても再発しやすい病気のため、正しい治療と日常的な予防がとても大切だよ。
ここでは、動物病院で行われる治療内容と、家庭でできる予防法をわかりやすく紹介します。
膀胱炎の主な治療法
膀胱炎の治療は、原因によって方法が異なり、細菌感染・尿路結石・特発性膀胱炎(ストレス性)など、それぞれに合った治療が必要です。
細菌性膀胱炎の治療
細菌が原因の場合は、抗生物質の投与が中心となります。尿検査や培養検査で原因菌を特定し、適切な抗生剤を選びます。軽度であれば内服薬だけで改善しますが、重度の場合は点滴治療を行うこともあります。
獣医師によって治療方針には差がありますが、内服薬による治療の場合、1週間では完治せず、すぐに再発する可能性があります。そのため、可能であれば2週間程度は内服を継続し、しっかりと治すことが望ましいとされています。
尿路結石・結晶が原因の場合
尿路結石や結晶による膀胱炎の場合は、内服薬により症状を改善させた後に、食事療法(療法食)をすることが基本になります。結石の種類(ストルバイト/シュウ酸カルシウム)に合わせて、溶解または再発防止のフードを選びます。
療養食に切り替えることができない場合には、かなりの確率で再発するだけではなく、重症の場合は、カテーテルで尿を抜いたり、外科手術を行うこともあります。さらに結石が詰まると「尿閉」という危険な状態になることもあります。

療養食にする際には必ず獣医の指示に従いましょう!
飼い主による自己判断は絶対にNG!!
尿路結石の療養食でお困りの方はこちらの記事へ↓
特発性膀胱炎(ストレス性膀胱炎)の治療
検査で細菌や結石が見つからない場合は、ストレスが原因と考えられる特発性膀胱炎の可能性があります。この場合、薬による治療だけでなく、環境の改善が何より重要です。
猫の立場に立って、ストレスの原因を考え、可能な限り取り除いたり軽減する工夫をしましょう。ストレス性の膀胱炎は再発しやすいため、猫の心のケアも治療の一部であるといえます。
自宅でできる膀胱炎の予防法
膀胱炎を防ぐには、日常のケアが何より重要であり、以下のポイントを意識することで、発症リスクを大きく減らせます。
水分をたっぷりとる
水をあまり飲まない猫は、尿が濃くなり細菌や結晶ができやすくなるため、猫がたくさん水を飲むような工夫をしましょう。

・複数の場所に水飲み場を設置する
・ウェットフードを取り入れる
・自動給水機を使って新鮮な水を用意する
こんな工夫をするのが有効だよ!
トイレを常に清潔に保つ
猫はきれい好きな動物であるため、トイレが汚れていたり不潔な状態になっている場合には、嫌がって排尿を我慢することがあります。
排尿を我慢しすぎることで膀胱内で細菌が増えやすくなり、膀胱炎になってしまうため、毎日の掃除は欠かさずに行い、トイレの数は「猫の頭数+1個」が理想になります。

トイレを清潔に保つためには、トイレ選びも大事だよ!
トイレにもいろいろあるので、迷った方はこちらの記事へ
🔜猫のトイレはどれを選んだらいいの? 種類別に特徴を解説
まとめ
猫の膀胱炎は軽症なら命に関わることは少ないですが、再発しやすく、重症化すると尿路閉塞などで命に危険が及ぶこともあります。
日常的にトイレの回数や排尿の様子を観察し、少しでも異常を感じたら早めに動物病院で診てもらうことが大切です。また、水分摂取やストレス管理など、日常の工夫が再発予防につながります。
愛猫の健康を守るためには、日々のちょっとした観察とケアが何よりも重要です。
コメント